ダイエット

『痩せない豚は幻想を捨てろ』感想。ダイエットはメンタリティーが全て

今回はダイエット本の名著・テキーラ村上さんの『痩せない豚は幻想を捨てろ』の感想です。

昨年発売された本ですが、久々に読み返したらやっぱり面白かったので。

著者のテキ村さんことテキーラ村上氏はダイエット界?では知らない人がいないのでは、というほど日本中のデブを葬り去ってきたスパルタダイエットブログ『痩せない豚は幻想を捨てろ』の管理人。

この『テキ村式ダイエット』でデブから脱却した人は数知れず。

テキ村さんのブログやTwitterも大変面白いので是非読んでみて欲しいです。

この本の魅力は何と言っても『痩せないデブ』が陥りがちな思考や行動を容赦ない口調で片っ端から粉砕していく痛快さ。

読者の一人である私も御多分に漏れずデブの一人ですが、暴言に近い名言の嵐に腹が立つどころか笑わされ、ぐうの音も出ない程納得させられてしまう不思議な魅力があります。

完全に上から目線・命令調なのに読んでいて腹が立たないのは、テキ村さんが本気で痩せないデブを救おうとしているからでしょう。

一見暴言のように見えても、痩せられないデブに対する愛情を感じてしまいます。

テキ村式ダイエットとは?

ダイエット法というと、何か特定の食品を食べたりトレーニングをしたり、といった手法が多いですが、テキ村式ダイエットの最も重要なポイントは手法ではなく『メンタリティー』なのだそう。

実際に本で挙げられている食事制限など、勧められる手法はごくごく普通なものばかり。

おまけに食事制限なんかは糖質制限でも脂質制限でも、自分で好きな方をやれば良いというスタンスです。

でもどの手法を取るにしても大事なのは、『やり遂げる』ためのマインドセットと正しい知識・思考力

特にダイエット初期の空腹との闘いや、体重の増減に一喜一憂することへの戒め、自分の努力に対する自信を持つことなど、当たり前だけどなかなかできない心構えについて、かなりのページを割いています。

結局のところテキ村式ダイエットとは

一言でいうと、「血と汗と涙の結晶、努力の塊ダイエット」である。

あるいはあえてはやりの「○○だけダイエット」に言い換えるなら、「血と汗と涙流すだけダイエット」とでも言おうか。

ダイエットに近道はないという事ですね。

逆にテキ村式ダイエットの敵は『○○だけで痩せる』サプリや商品などに安易に飛びつく思考。

というのもダイエット界でインチキな手法や商品がまかり通る背景には、デブが常に『楽して痩せられるモノを探している』という思考回路になっているから。

だからダイエット市場のマーケティングも、そうしたデブの思考を逆手に取ることでデブの需要を満たしているのです。効果がないとしても。

けれどテキ村さんはそんな思考停止状態のデブの目を覚ますために、思い切りビンタしてくれます。

『自分にあるダイエット方法が見つからない』、『ダイエットサプリが効果なかった』、『○○だけすれば良いダイエットを試したけど痩せなかった』、などデブから脱却できない言い訳に対し、

その言い訳がましいデブ根性、俺が責任をもって叩き直す。

お前らはテレビやインターネットで「○○だけで痩せる」といううたい文句を見ると、揃いも揃ってIQが3になる。

と一刀両断。
『楽して痩せたい』、『難しいことを考えたくない』、といった思考停止状態に陥った時点でダイエットは成功するわけがないという事を教えてくれています。

根底にあるのは、自分で情報を集め、選び、行動する事を怠るなという強いメッセージです。

テキ村式ダイエットでやること

やることはとてもシンプル。(だけど大変)

1.食事制限(特に炭水化物)をして摂取カロリーを抑えること
2.中でも、タンパク質を豊富に食べること
3.筋トレもしくは有酸素運動(またはその両方)をすること
4.そしてこれらを己の頭で考え、組み合わせ、自分なりにアレンジすること
最終的に、痩せやすく太りにくい体を作ることこをがテキ村式ダイエットのゴールだ。

このように、実践すれば痩せるに決まっているけれど、実践し続けることが大変なごくごく基本的なことばかりで、目新しい手法もなにもありません。

重要なのは本の内容を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えてやることであって、小手先の手法を気にする必要はないということです。

とはいえ、やはり基本であり重要な点、食べ過ぎをやめ、タンパク質を豊富に摂るということは大前提としています。

というのもデブが食べ過ぎているのはたいがい炭水化物、というか糖質なので。

まず前提としてお前が炭水化物を食い過ぎているという現実から目を背けるな。お前が食いすぎなければ、だいたいの問題が解決される。

カロリーを低くする事ばかりにこだわり、通常の食事を太りやすいお菓子やアイス、糖質の塊だけに置き換えるなどという事は、俺の前では万死に値する。

私も昨年までは糖質過多な食生活をしていたので、耳に痛い言葉です。

実際今から思い返すと以前の糖質摂取量はゾッとするような量でしたが、当時は過剰摂取している自覚もありませんでしたし、スイーツやパンを食べたいあまり普通の食事を省いたりすることもやっていました。

テキ村式ダイエットの食事制限はまず糖質の食べ過ぎをやめることと、タンパク質を豊富に摂ることをやった上で、あとは更に糖質を制限するか、脂質を制限するかの二択が提示されています。

個人的には糖質制限一択で、脂質は体に必須な栄養素なので制限するのは危険だと思っていますが、こういう風に自分が納得できる手法を選びとるために勉強するというのも大事ですね。

まとめ

『痩せない豚は幻想を捨てろ』はダイエットに近道も安易な方法もないという事と改めて教えてくれた一冊です。

そして何より自分の頭で考えることの大切さも。

私自身も実際に食事を変える段階で努力と忍耐を重ねたというより、正しい知識を得るために色々な本を読んだり自分に合った方法を考える過程に力を注いできたので、テキ村式ダイエットで提案されている手法をそのまま取り入れているわけではありません。

特に糖質過剰な人間が糖質を制限することは、質的栄養失調が関わっているので、自信の意志力ではどうにもならない部分も確かにあります。

私の場合はダイエット目的よりも体調不良の改善のために栄養の勉強をしてきましたが、自分で学んで実践することで、苦痛も我慢もなく糖質を減らすことができました。

発売当初ぶりにこの本を再読しましたが、マインドセットはかなり影響を受けていたんだな~と改めて実感しました。

単純に文章の痛快な面白さが魅力てきな1冊でもあるので、ダイエットしたい人もそうでない人も、一度は読んでみて下さい。

それではまた。