こんにちは、みりりっこです。
今回は見落とされがちだけど重要すぎる栄養素・マグネシウムについてのまとめです。
金森式(断糖高脂質食)を始めて、栄養バランスを見直す中で、これまであまり重要視してこなかった『マグネシウム』を改めて意識するようになりました。
マグネシウムって何?
マグネシウムは身体に欠かせない栄養素(ミネラル)です。
カルシウムやコラーゲンと共に骨や歯を構成する成分、300以上の代謝の補酵素、筋肉の動き、血圧コントロール、神経伝達、ホルモンの分泌など様々な場面で重要な役割を持っています。
その分、不足すると様々な不調や病気の原因にもなります。
牛乳を飲んでいても、マグネシウム不足で骨がスカスカになる理由
『骨といえばカルシウム』というイメージを持つ人が多いと思いますが、マグネシウム(Mg)も骨にはなくてはならない成分で、特にカルシウム(Ca)とのバランスがとても重要。
同じ骨を構成するミネラルでも、カルシウムは骨の硬さ担当、マグネシウムは骨の柔軟性・弾力性担当、といった役割を持っています。
硬いだけでは折れやすくなってしまいますが、Mgが柔軟性・弾力性を担当してくれているので、健康な骨は折れにくいのです。
でもCaに対してMgが少ないと、いくらCaを沢山摂っても骨は脆くなってしまいます。
体内のMgは、筋肉や体液などにも含まれますが、全体のおよそ6~7割が、『リン酸マグネシウム』の形で骨や歯の組織(ハイドロキシアパタイトの結晶内)に含まれています。
そのうち約2/3は結晶内部、約1/3は結晶の表面にありますが、体内のMgが不足してくると、結晶表面のMgがそれを補うために流出していきます。
後で述べますが、Mgは骨を構成するだけでなく、体内の様々な代謝で必要不可欠だからです。
そのMgが骨の外に流れ出ていく際に、Caまでが一緒に出て行ってしまうのですが、その量は、出ていくMgの約5倍。
Mg不足になることで、Ca不足を引き起こし、結果的に骨がスカスカになって骨粗しょう症の原因になってしまうのです。
私は以前、牛乳を毎日たくさん飲んでいるのに骨粗しょう症になる人が多いのが不思議に思っていましたが、牛乳に含まれるマグネシウムはカルシウムの約11分の1しかないので当然ですね。
(100g中Ca:110㎎、Mg:10㎎)
そりゃあカルシウムとのバランスが悪すぎてマグネシウム不足にもなるわけです。
私はチーズが大好物なのですが、チーズのCa・Mgバランスは牛乳よりも更に悪いです。
ちょっと自分への戒めのために、ここに書いておきますね。
普通のプロセスチーズに含まれるMgはCaの約33分の1。
(100g中Ca:630㎎、Mg:19㎎)
カマンベールチーズは約23分の1
(100g中Ca:460㎎、Mg:20㎎)
クリームチーズは約9分の1
(100g中Ca:70㎎、Mg:8㎎)
Ca・Mgバランスが良い食材ってあまりないし、現代人の食事はCa過剰・Mg不足とバランスが悪いので、意識的にMgを摂取しないと気づかずに不足してしまいがちです。
私はそれでもチーズを食べたいので(オイ)、サプリでマグネシウムを補うようにしています。
筋肉がけいれんする・足がつる。
これもMg不足でよく起こる症状です。
私たちの筋肉は、伸びたり縮んだりを繰り返して体を動かしています。
この伸縮運動に欠かせないのがMgとCa。
やはりここでもMgとCaは拮抗・協力関係にあります。
筋肉が正常に動くためには、この2つのバランスがとても重要なのです。
マグネシウムは筋肉を弛緩させ、カルシウムは筋肉を収縮させる働きを担っているので、Mgが不足してバランスが崩れるとけいれんしたり『こむら返り』などの異常が起こりやすくなります。
こむら返りは激しい運動を行うアスリートや、赤ちゃんのために栄養がたくさん必要な妊婦さん、Mgが尿中に排出されやすい糖尿病患者によく起こりやすいと言われます。
また糖質制限でも余分な水分と共にMgなどのミネラルが排出されやすくなるので不足します。
私も断糖高脂質で糖質を摂らなくなってから、水抜け期で余分な水分が一気に抜けたのですが、マグネシウムなどのミネラルも出ていってしまったようで、一時期夜中にふくらはぎがつってしまうことが連発しました。
それまでもマグネシウムサプリは飲んでいたのですが、量を増やすことで改善されました。
脚がつるときの痛みは何度経験しても慣れるものではないので、できれば御免被りたいものです。
300種類以上の代謝で補酵素として働く
体内では生命を維持するために、常に様々な化学反応(代謝)が行われています。
代謝の主酵素はタンパク質なので肝心なタンパク質が不足していたら元も子もありませんが、マグネシウムのようなミネラルや、ビタミンなどの補酵素もなくては必要な代謝が進みません。
エネルギーを生み出す代謝だけでもMgの出番はとても多いので、他の補酵素であるビタミン・ミネラル共に不足すれば慢性疲労や倦怠感など、様々な不調の原因になります。
どうして現代の日本人はマグネシウム不足なの?
良く言われているのは戦後の食生活の変化で、Mgやミネラル豊富な玄米や大麦、雑穀から精製された穀物(白米や小麦)が広まったから、という理由です。
他にも食塩についてはミネラル豊富な粗塩から、精製された塩が主流になることでMg不足につながった背景もよく言われています。
それらの理由も確かにもっともに聞こえるのですが…。
でももっと遡れば、精製済・未精製であろうと穀物を食べてきた期間自体、人類の歴史から見たらそう長くはないのです。
農耕が始まったのはたったの1万年前からですが、それ以前の約200万年続いた旧石器時代、人間は狩猟採取生活で動物の肉や骨を主食としていました。
そもそも人間の消化器官は肉食向けにできています。
200万年かけて肉食に適応してきた人間が、たった1万年足らずで草食に適応できるわけではなく、人類は農耕で大勢を養えるようになった代償に、様々な疾患を抱えることになったのです。
では元々人間は何からMgなど重要なミネラル・ビタミンを摂っていたのでしょうか。
最初のところで、体内のマグネシウムのおよそ6~7割が骨の組織に含まれると書きましたが、それは人間が食料として食べる動物でも同じこと。
考古学の分野では旧石器時代の人間が動物の骨髄を主食にしていた痕跡が次々発見されていますが、動物の骨は保存性が高く、骨髄にはMgを始め栄養が非常に多く含まれています。
旧石器時代の人間が食べていて、現代の我々がほとんど食べない栄養豊富な食材は、ずばり骨。
と言われても、じゃあ骨付き肉を骨ごとバリバリ食べられるかというと無理ですよね。
私自身は、できる限り食事からもミネラルを摂れるように、牛骨などを使ったボーンブロススープや、鯛などのアラ汁(オシャレに言い替えればフュメ・ド・ポワソン)を日常的に食べるようにしています。
作り置きができるので休日に大量に作っています。
ただし食事だけで十分なMgや他のビタミン・ミネラルを摂るのは難しいので、私はマグネシウムサプリも併用しています。
旧石器時代と同じ食生活は現実的には難しいですが、現代の生活に合わせて工夫することで、Mg不足は補うことができます。
Mg不足かな?と感じている人は、摂り方を工夫してみるのがおススメです。
今回一部参考にした書籍はこちら↓
糖尿病に勝つ!「マグネシウム食」革命 横田 邦信 (著)
この先生の本は初めて読みましたが、マグネシウム関連の本を何冊か出されているようです。
マグネシウムの役割の他、糖尿病とマグネシウム不足の関連や、予防効果について詳しく説明されていて、マグネシウムの働きについてはとても勉強になりました。
まあ糖尿病に関しては糖質制限の本も読んだほうが良いと思いますが…。
糖質についてはあまり言及がなかったので。
それではまた。