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「自分で『始めた』女たち」感想。

こんにちは、みりりっこです。

人生を送っていると、いつでも絶好調ならいいのですが、現実には疲れてくじけそうな時、落ち込んでなかなか立ち直れない時がどうしてもあります。

ちょっとくらいのダメージならひたすら眠り続けて回復を待ちますが、それでも立ち直らない時もあります。

気軽に誰かに話せたらいいのですが、私はダメな時ほど自分の悩みを言葉にして人に話すことができなくなる性質なもので、どんどん沈んでいってしまいがちです。

そんな時は、自分にとっての『心の処方箋』に頼ります。

私の場合、本がそれに当たります。

一度、普段の習慣とか、やっていることを全てストップして、本に元気をもらうことが多いですね。

今回、心の処方箋の一つとして紹介したいのは、

自分で「始めた」女たち (グレース・ボニー著)

という本。

アメリカを中心に、様々な職業で自立して活躍する112人の女性たちのインタビュー集です。

女性たちのポートレートと仕事場の風景写真、インタビューへの回答とで構成されていて、かなりボリュームのある1冊です。

でも1人1人のエピソードにそれぞれインパクトがあって、あっという間に読めてしまいます。

仕事場をバックに微笑む彼女たちに共通して感じるのは、圧倒的な力強さと美しさ。

といっても、それはモデルや女優のような外面的な美しさではなく、生き様がにじみ出ていることによる美しさなんですね。

登場する女性たちは、人種も年齢もバックグラウンドも様々だし、障がいを持っている人やLGBTの人もいて、誰一人として似かよった人生の人はいません。

インタビューで語られる彼女たちのキャリアも、決して華々しい道のりばかりではなく、挫折や苦難、現実的な問題が山ほど出てきます。

それに彼女たちのエピソードは過ぎ去った過去の栄光ではありません。

現在進行形で様々な問題やハンディキャップと戦っていたりと、生々しい現実を取り繕うことなく堂々と語られています。

キャリアや仕事のために大事なものを犠牲にしたり、裏切られたり、経済的な危機に直面したり、生傷だらけになりながらも自分の決めた道を進む彼女たちのパワフルさには本当に圧倒されます。

このブログも『美女の真似事』なんてタイトルにしてますが、私自信が理想とする美女のイメージは、単に外見が美しいだけでなく、生き様がカッコ良い女性なので、まさにこの本に登場する女性たちは憧れの、真似たい対象なんですね。

インタビューで語られる一人一人の信念や、経験から得たもの、悩みや失敗談など、どこを取っても無駄な箇所はなく、毎日少しずつ読み返しています。

この本の中で個人的に刺さったコメントは多すぎて、とても全部は挙げきれないですが、抜粋して紹介します。

Q:「駆け出しのころ役立ったアドバイスは?」

A:「自分が不得意だったり知識がなかったりしたら、専門家を雇えばいい」。全部自分でできなくてもいいと悟ったのは、目からウロコだったわ。」(インテリアデザイナー)

A:「『たかが最初の一歩と思いなさい』。私、長いこと立ちすくんでいたの。どの方向に進むのも怖くて、人生の進路を決めかねていた。でも、必ずしも最初の一歩で一生が決まるわけじゃない、と教えてくれる人がいて。変える決断もチャンスもあるよって。おかげで、初めて怖がらずに新しいことを素直に試せるようになった。私が切実に求めていた自由を、保証してくれる言葉だったわ。」(ライター)

Q:「10~20年前の自分に教えてあげたいことは?」

A:「人を助ける前に、まず自分の酸素マスクをつけなさい。」(アーティスト、ミュージシャン)

A:「自分や自分の目標に投資するときはケチるな。あなた自身が投資する気がないものに、誰が投資してくれるというの?」(国連世界食糧計画開発アドバイザー)

Q:「クリエイティブの世界にいる女性のどんなところに憧れる?」

A:「真摯な批判と意地悪な攻撃の違いがわかる能力。」(アーティスト、ミュージシャン)

A:「昔は『怖いもの知らずで、恐怖なんか蹴散らしてやってのけるような女性に憧れる』って公言してたけど、考えが変わった。そんな人いないと思うから。今は創作のプロセスで起こる自信の喪失をさらけだして、それでも前に進んでやりとげてしまう女性たちに憧れるわ。」(シェフ、テレビ司会者)

多くのインタビューを読んで共通してるなと思ったのは、最初から完璧な人なんていないし、間違わない人もいないし、不安のない人もいないということ。

私も無自覚な完璧主義で、『完璧じゃないから何もできない』状態から動けない時期が長かったし、今も完璧じゃないのに進むことへの恐怖を捨てきれていません。

だからこそ悩んだり失敗したりしながら前に進む彼女たちに憧れるのかもしれません。

Q:「経営して得た最大の教訓は?」

A:「まだありもしない問題を解決しようとしてはいけない。『もしこうなったら…』なんて考えだしたら、今起きていることに割く時間やエネルギーがなくなっちゃう。」(実業家)

Q:「自分でビジネスを始めて得た最大の教訓は?」

A:「常にすべてがわかっていなくても大丈夫、ということ。」(陶芸家)

Q:「ミスから学んで成功につながったことはある?」

A:「最初の会社を畳んだときは、この世の終わりみたいな気持ちだった。でも実はそれが、ミスを生かしてもっと持続可能なモデルをつくれる(つくろうと努力する)、新しい会社の始まりだったの。新しい会社は、もともとめざした会社の姿にずっと近づいていたわ。」(ファッションデザイナー)

他にも刺さった言葉は山のようにあって、ここでは挙げきれないのですが、もしこの本を読む機会があったら、きっと心に刺さる言葉が見つかると思います。

登場する多くの女性に共通して出てくるのは、人間関係やお金の問題、自分が目指す理想と現実とのギャップについての悩み。

今だけ見たら完璧に見える女性たちでも、悩みどころはみんな一緒なんだなあと。

Q:「端からはわからない、経営の苦労は何?」

A:「社員ならあるはずの年1回の人事評価がないこと。第三者から成績表をもらいたいなと思うときがあるわ。」

中にはこんな悩みも(笑)。
安定した会社員の地位を捨てたことにだって、未練のない人ばかりではなかったり。

けっして完璧超人ではないけれど、人一倍悩んで努力を重ねながら自分の人生を作ってきた彼女たちに親しみを感じます。

これからも仕事や人生で行き詰ることはきっとあるだろうけど、そんな時に傍らに置いて読み返したい一冊です。

それではまた。