ダイエット

『金森式』断糖・高脂質食をスタート。1週間経っての体と食生活の変化。

こんにちは。
ここ最近の記事で話題にしている『金森式』でおなじみの『断糖・高脂質食』

その手法の極端さと過激さに、先週の時点ではまだ躊躇していたのにも関わらず、結局始めてしまいました。

金森氏の監訳本も含めて色々本を読んでいくほどに、興味を惹かれて納得できる部分が増えてしまい、好奇心に抗えませんでした。

強く興味を惹かれると、試したくて堪らなくなるという困った性分なもので…。
(その一方で興味がない事には、誰に勧められようと1分たりとも時間を割きたくない性分でもありますがね。)

アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事
マーク・ハイマン(著)、金森重樹(監訳)

ガチ速“脂”ダイエット  金森重樹(著)
こちらは『入門書』的な本です。
具体的な手法については参考になりますが、メカニズムの説明は意図的に省かれています。

興味を引かれるまま、なし崩しで始めて1週間も経っていませんが、それでもかなりの変化が起こっています。

体調にも食習慣にも。

体重減少が加速

1週間前の記事では、体重がMAXの頃からマイナス8キロ減ったと書いていたと思います。

緩やかな減少スピードでしたが、体質改善を優先していたので、毎月1キロずつ落ちれば上々、くらいに構えていました。

それが今日の時点ではマイナス10キロ

他のダイエット法と比べて体重の減少スピードが異様に早いとは知っていたけれど、いざ自分の体で体感してみるとやっぱり衝撃的です。

この始めた直後に起こった体重減は、恐らく『水抜け』によるものでしょう。

インスリンは体内に水分や塩分を蓄える働きがありますが、断糖でインスリンの分泌量が少なくなれば、ため込まれた水分や塩分、ミネラルが排出されるからです。

とはいえ、私はゆるい糖質制限を始めてから既に半年以上経っています。

それでも本格的に断糖してすぐ、トイレの回数が驚くほど増え、夜中ものどの渇きを覚えて何度も目が覚めるような事態に。

水抜け期はとっくに終わったと思っていましたが、まだまだ余分な水分を蓄えていたようです。

ちなみに、私のここ数か月の糖質量は、いわゆる『スーパー糖質制限』レベルの量でした。
(スーパー糖質制限:糖質摂取量1日30~60g程度。毎食とも主食を摂らず、糖質の多い菓子類を食べないのが目安)

普通に糖質過多な食生活をしていた頃から見れば、それでも十分糖質量は少ないですが、糖質量をほぼ断つというのは、まるで次元が違います。

断糖高脂質食が痩せる理由

そもそも『糖質制限』『断糖高脂質食』は一見似ているようでエネルギー代謝の回路自体が異なるので、痩せるメカニズムが全く異なるのです。

スーパー糖質制限だと、糖質を完全にはカットしないためエネルギー源は糖質のままです。

食事からの摂取量が減った分は、筋肉を分解して肝臓で『糖新生』という働きによって糖に作り替えることでまかなうので、体重は減るけれど同時に筋肉も減ってしまう欠点があります。

断糖高脂質食の場合は糖質を断ち、エネルギー源として脂質をたっぷり摂取することで、糖新生に頼らず脂肪酸をエネルギー源とするので、運動せずとも筋肉を減らさず体重を減らすことができる仕組みになっています。

脂質をたくさん食べると健康に悪いとか、体脂肪が増えるといったイメージが根強く持たれていますが、体脂肪が増える元凶は食事から摂った糖質で、インスリンによって体中の脂肪細胞に蓄えられるからです。

逆に食事で摂る脂質はエネルギー源として分解されますし、細胞膜やコレステロールの原料になるので体にとって必要不可欠です。

ただし、糖質が過剰なまま脂質も摂ると、エネルギー源として燃やされず肥満を加速させてしまいます。

これからのエネルギー源となる『脂』の質を見直し

現代人のエネルギー源はほとんど糖質。
そしてエネルギー源として使いきれなかった糖質は、インスリンによって体脂肪としてため込まれていきます。

その糖質を断ち、脂質をエネルギー源としたエネルギー代謝の回路に切り替えることで、体内の脂肪を燃焼させていくのが断糖高脂質ダイエットの仕組みです。

そこで大事になってくるのが、『どんな脂質を摂るのがベストなのか』という問題。

勉強を始める前は、『脂なら何でも良いのかな』と思っていましたが、とんだ間違いでした。

飽和脂肪酸も、不飽和脂肪酸もそれぞれ体にとって重要な働きをしており、どれかに偏ってはマズイのです。

ここでは良質な脂肪酸をより良いバランスで摂るために、ここ1週間で見直したことをご紹介していきます。

オメガバランスの見直し

現代の食生活が抱える問題として、オメガ3とオメガ6の比率がおかしくなっていることが挙げられます。

野生動物の肉食中心だった狩猟採集時代はその比率はおよそ1:1だったのに、今や1:6~1:20も開き、オメガ6が過剰な状態に。

オメガ6脂肪酸植物油に多く、炎症を促進する働きを持ちます。

日本なら家庭でよく使われるサラダ油などの調理油や、ほとんどの外食や加工食品に使用されています。

私は自炊ではこれまでもずっとエクストラバージンオリーブオイル(オメガ9・一価不飽和脂肪酸メイン)しか使っていませんでしたが、元々外食好きなので、実際には知らずにたくさん食べていたと思います。

おまけに揚げ物や加工食品に使用されている植物油は質も悪く、更に酸化しているので、非常に体に良くないものです。

一方でオメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがあります。

けれども現代の食生活では摂取量は十分とはいえず、食事だけで賄うのは正直厳しいです。

私もオメガ3の摂取量を増やそうとしましたが、思いのほか選択肢が少ないという問題にぶちあたりました。

解決策として、鯖缶などの青魚の水煮缶、オメガ3のサプリグラスフェッド牛を普段の食事に取り入れる事に。

鯖などの青魚はオメガ3のDHAやEPAでおなじみですが、グラスフェッド牛も一般的な穀物飼育の牛に比べるとオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるそうです。

同じ牛肉でも、食べていたものによって全く質が変わるということですね。

更にサプリを取り入れたのは、毎日鯖缶を食べるのは正直キツイからと、同じく毎日高価なグラスフェッド肉を食べるのはお財布にキツイという理由から。

良質な飽和脂肪酸の摂取源を確保する

オメガ3脂肪酸と合わせてしっかり摂りたいのが飽和脂肪酸

肉や乳製品に多い飽和脂肪酸は、長年血中のコレステロール値を高め心臓疾患を引きおこる原因になると信じられてきましたが、血中の飽和脂肪酸が増える原因は食べ物から摂る飽和脂肪酸ではなく、糖質です。

食事から摂る飽和脂肪酸は、糖質を控え、オメガ3を十分に摂れている状態であればプラスの相乗効果を発揮してくれると言われています。

というわけで、良質な飽和脂肪酸を十分に摂れるように、食材を厳選して集めてみました。

乳脂肪

乳製品はグラスフェッドバターと生クリームだけに絞りました。

好物のチーズは腸に炎症を引き起こす乳化剤が添加されているものがほとんどだし、マグネシウムとカルシウムのバランスが悪すぎてカルシウム過多の弊害が大きいので当分お預けに。

バターもお肉同様、グラスフェッドに切り替えました。

実店舗だとお高いスーパーなどで入手できますが、本当にお高い値段で売っているのでとても普段使いできません。

でもネットで探していたら、楽天で安く買えるショップを見つけたのでまとめ買いしました。

美味しいし、価格的にも心おきなくじゃんじゃん使っています。

生クリームは植物性の原料が入っていないもので、乳脂肪45%以上の高脂質なものを選んでいます。

こちらはホイップして(もちろん砂糖は入れません)小分けで冷凍し、紅茶にMCTオイルと一緒に混ぜて飲んでいます。

小腹がすいたら、おやつ代わりにそのまま食べたりもしています。
(普通の人にはお勧めしません。私もたぶん普通にスイーツを食べていた頃なら、甘くない生クリームなど気持ち悪くて食べられなかったと思います。)

良質な牛脂

金森式では良質な脂質源として特に重宝されている牛脂も、結局ネットで探して購入。

老舗の精肉店からデパ地下まで、何件か実店舗を当たってみたのですが、自分の行動圏内で良質な牛脂を置いている店は見つからなかったので。

複数のショップから、和牛の牛脂と、グラスフェッド牛の牛脂をそれぞれ取り寄せてみました。

どちらも質も風味も良いと言われるピンク色の背脂です。

私自身、牛脂は買うのも調理に使うのも初めてなので、ひとまずボーンブロススープに入れて試してみたところ、非常に美味でした。

また引き続き、飽和脂肪酸の中でも速やかにエネルギー化されやすい中鎖脂肪酸(MCTオイル)や、オレイン酸が豊富で抗酸化作用に優れたエクストラバージンオリーブオイルも愛用中です。

こんな感じで、良質な脂質源の確保のために、色々な食材を新たに取り入れてみました。

今月はかなり食費を抑えられていた…はずなんですが、この月末の1週間で今まで買ったことのない食材を一気に買ったので、結局エライ出費になりました…。

まあ、その分今後は余計な食材は買わなくなるので、長い目で見れば調整できるでしょう…。たぶん。

摂るのを止めた食材

良質な脂質を確保する一方で、脂質のエネルギー代謝を阻害したり、炎症を起こす原因となる食材・添加物を見直すことも勧めました。

その代表格が、砂糖(異性化糖を含む)やうま味調味料でおなじみのMSG(グルタミン酸ナトリウム)を含む加工食品や調味料。

これらは様々な名称で、市販の殆どの調味料や加工食品に入っているので、あらためてキッチンから一掃する必要がありました。

一見健康そうに見える調味料や加工食品でも、これらが入っていないものを探す方が難しい程、ありとあらゆる食品に使われています。

砂糖や異性化糖が体に悪いのは言うまでもないですが、MSGも炎症を引き起こし、食欲をブーストさせてしまうので、避けるべき添加物です。

私も以前体に良さそうと思って購入した調味料や加工食品を改めて確認すると、だいたいどちらか、もしくは両方入っているものばかりでした。

ポン酢やスープの素、だしの素など一見良さそうな食品も、糖質やMSGを含むものは結構あります。

結局残ったのは、ミネラル豊富で未精製の海塩(ぬちまーすや雪塩など)、魚醤、バター、自家製の水塩のみ。

普段きちんと家庭料理を作っている方は、根本的に味付けが変わってしまうので抵抗があるかもしれませんが、私は元々、シンプルな味付けしかしないし、多種類の調味料を持つのが好きではなかったので、それほど抵抗なく排除できました。

それに和食でおなじみの醤油・みりん・酒の甘じょっぱい系の味付けや、甘辛い照り焼きソースや焼き肉のたれ系、市販のドレッシングなどは、中毒性があり食欲を増進させていくらでも食べられてしまいます。

これらを止めて、シンプルに塩や魚醤だけの味付けにすると、意外と量を食べられないものです。

断糖・高脂質食を始めて体に起こった変化

断糖高脂質食を始めると、人によってさまざまな不調が現れてくることがあり、それらは通称で『ケトフルー』と呼ばれています。

その『ケトフルー』らしき症状、私にも起こりました。

ケトフルーは質的な栄養失調が原因で糖質から脂質にエネルギーを切り替えるのがスムーズにいかなかったり、脱水でミネラルが失われることで起こる症状です。

私に起こった症状は、だるさ、疲労感、頭痛、腹痛(便秘と下痢)、ふくらはぎがつる、などです。

この半年間、高タンパク食・メガビタミンで体質改善を進めてきたので、そこまで酷い症状は出ないだろうと高をくくっていましたが、この1週間は結構きつかった…。

特に昼間しょっちゅうお腹が痛くなって仕事中辛かったし、夜間にふくらはぎが毎日のようにつってはね起きたり。

水分の排出が進んでいるせいか、喉が渇いて夜中何度も起きたりもしました。

半年以上エネルギー代謝に必要な栄養素をサプリで強化してきてもこの有様だから、以前の体調の悪い時にいきなりこの食事法に手を出したら恐ろしいことになっていたと思います。

金森氏も藤川メソッドを参考にされていて、断糖高脂質だけでうまくいかない場合は、高タンパク食・メガビタミン・ミネラル摂取で質的な栄養失調の改善を先に行うことを推奨されています。

私もここ数日は、ビタミンやミネラルサプリの摂取量を変えるなどして調整中です。

例えば、ふくらはぎがつるのは水分とともにミネラルがどんどん排出されているからなので、マグネシウムやミネラルの多い海塩を強化したところ、ぱったり止みました。

糖質にしろ脂質にしろ、エネルギー代謝にはその過程で様々なビタミンやミネラルが必要です。

それに過去に偏ったダイエット歴や糖質過剰な食事歴があったりと質的な栄養失調が深刻な程、まずその改善が最優先になります。

糖質から脂質へとエネルギー源とエネルギー代謝の回路を切り替えるのは、身体にとって大きな変化。

体がそれに耐えうる健康状態になって、初めてスタートラインに立てるとも言えるでしょう。

金森式は一見簡単そうに見えるし、Twitterで話題になって気軽に始める人も多いですが、本当は知識が必要だし、質的な栄養失調の人は先に改善する過程が必要なので、玄人向けだと感じます。

金森式、人におススメできる?

この金森式・断糖高脂質食を、身近な人に勧めるかといったら、基本的に私は勧めません

上に書いた通り、栄養や代謝の知識がないまま手を出すのは危険だし、問題が起きても原因や対処法がわからずに体を壊しかねないし、更には人類が本来何を食べてきたのか、といった文化人類学まで知識を広めていかないと、本質が理解できないから。

それに私自身始めたばかりで、自分の体重や体調の変化を観察しながら試行錯誤したり、より良い食材の入手先を探したりしている最中です。

自分にとって『これがベストだ』というものも、常に新しく入れ替わっています。

難しいことなしに手っ取り早く痩せたい人や、自分で本を読んだりせず、聞きかじりの断片的な知識だけで手を出そうとする人には絶対に勧められません。

残念ながら、現実にはこういった人が大半です。
殆どの人が本すら読まないし勉強しない。

これは藤川メソッドにしても同じことですが、自分で本を読むなり勉強して知識を付け、自己責任で実践できない人はやるべきではないし、そういった人に安易に勧めるのもやめた方が良いと思います。

実際に藤川メソッドも、最低限読んでほしい簡単な本を貸しても全然読めない知人たちは未だ何も変わらないし、一方で自分から本を買って勉強・実践している友人はどんどん良くなっています。

金森式についても、最低でも著書と監訳本、金森氏が勧める書籍を一通り読める人にしか勧めるつもりはありません。

私もまだまだ勉強中で、知れば知る程、自分の無知さを実感しているので、これからも勉強しながら実践を続けていこうと思います。

当分は、ここ最近収集した関連書籍の山と格闘です。

それではまた。