スキンケア

『ツライ便秘をなんとかしたい!』薬に頼らず改善・予防する方法

こんにちは。
今回も引き続き便秘のお話です。
前の記事では、便秘の原因や、肌荒れや体調不良を起こす原因を書きました。

ここからは後編として、便秘を改善して予防する方法についてまとめていきます。

特に栄養面については長年便秘に悩んできた私が個人的に実践している事ばかりなので、便秘を何とか治したいけれど、薬に頼るのは嫌だなという方は参考にして頂けたら嬉しいです。

便秘改善・予防の方法

色々な考えがありますが、個人的には腸内環境を根本的に改善するための第一歩は、栄養の摂り方を変えることからだと考えています。

1.食物繊維(特にフラクトオリゴ糖)を摂る

腸内環境を握るのは『腸内フローラ』です。

1人あたりの腸内細菌の数は実に100兆個以上とも言われていて、それはもうとんでもない数の腸内細菌たちが種類ごとに集まって、腸の内側でわいわい生息しています。

その様子が同じ種類の花々が群生している花畑に例えられ、『腸内フローラ』と呼ばれるように。

その腸内フローラの中で善玉菌が優勢になることが腸内環境を良くすることにつながります。

善玉菌が優勢になるには、善玉菌がエサとする食物繊維が欠かせません。

食物繊維には様々な種類がありますが、その構造は砂糖(ブドウ糖と果糖がつながったもの)に、更に果糖の分子がたくさん連なったものです。

人の消化器官では食物繊維を分解できません。
代わりに分解する(エサにする)のが腸内細菌なのです。

前回の記事で上げた善玉菌の中でも特に重要な『酪酸菌』は、食物繊維の中でも『フラクトオリゴ糖』(果糖が1~10個連なったもの)が一番よく増えます。

また、腸内フローラ中では数パーセントですが、同じく善玉菌である『アッカーマンシア菌』もフラクトオリゴ糖を好みます。

アッカーマンシアは大腸を保護する『ムチン』を厚くする働きをする重要な善玉菌です。

だから、食物繊維の中でもごぼうや玉ねぎなど、フラクトオリゴ糖を多く含む野菜を食べたり、フラクトオリゴ糖そのものを粉末にした製品を食べたりすることが効果的です。

私はフラクトオリゴ糖粉末(砂糖や果糖などが添加されていないもの)を1日10g程度、プロテインと一緒に飲んでいます。

フラクトオリゴ糖と酪酸菌の事は、こちらの本で知りました。

『東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』小柳津広志(著)

私が毎日飲んでいるフラクトオリゴ糖はこちらです。
上の本の著者・小柳津教授がおやいづ製茶と共同開発した商品だそうです。

【オリゴ糖】長沢オリゴ
http://www.gashoan.com/shopdetail/000000000391/ct101/page1/order/

成分はフラクトオリゴ糖の他にガラクトオリゴ糖も入っていて、ひとつだけ残念な点はフラクトオリゴ糖の含有率が公開されていないところです。

まあガラクトオリゴ糖もビフィズス菌を増やす整腸作用で知られているから良いんだけども、その割合くらいは公開して欲しい気も…。

今度私がビタミンC粉末をリピート買いしているNICHIGA(ニチガ)さんのフラクトオリゴ糖も試してみようかなと思います。
フラクトオリゴ糖は約97%含有で、割安です。

フラクトオリゴ糖 850g 天然 チコリ由来 NICHIGA(ニチガ)

それはともかく、長沢オリゴを友人・知人の何人かにも試してもらったところ、花粉症が一発で治った人もいれば、便秘が治った人不眠が改善された人など人によって効果は様々です。

中には何の効き目もなかった人もいますが、何らかの恩恵を受けた人たちは、今も家族中で愛用して、箱買いしています。

注意したいのは、フラクトオリゴ糖といっても、よく市販品に見られる砂糖などがたくさんふくまれた甘い製品

本来、フラクトオリゴ糖は糖と名がついていても糖質ではなく食物繊維なので、甘みもほとんどありません。

個人的には砂糖入りの甘い製品は、単なる砂糖汁…よりは少しましな程度のものだと思っています。

身体に良いと思って気にせず使ってしまうと糖質過多になってしまうので、意味がないどころか逆効果です。

たとえば日本オリゴというメーカーさんの商品・『フラクトオリゴ糖』は、フラクトオリゴ糖の割合は約40%しかありません。
以前私も違いがわからず買ったことがありますが、かなり甘いので残りの成分は糖質が多いと思われます。

砂糖代わりの甘味料として使うなら良いのでしょうが、腸内環境のためなら私は選びません。

なお、抗生物質を投与されている人はそもそも酪酸菌自体が死滅してしまっているので、『強ミヤリサン』などの酪酸菌が含まれた製剤を効果が出るまで併用するのが良いそう。

一方、善玉菌として一般的に広く知られている『ビフィズス菌』はどうでしょう。

ビフィズス菌は乳幼児にとっては雑菌などの感染から守ってくれる重要な善玉菌で、母乳に含まれる『ミルクオリゴ糖』によって増えるので、離乳するまでは最も優勢な善玉菌です。

ところが離乳した後は急減して腸内フローラの数パーセント程度になり、今度は免疫を高めてくれる『酪酸菌』が優勢になるのです。

意外なことですが、離乳前の赤ちゃん以外にとって、最も優勢であるべき善玉菌は、ビフィズス菌ではなく酪酸菌なんですね。

ここでは肌を含む抗炎症対策から酪酸菌を増やす『フラクトオリゴ糖』に焦点を当てましたが、もちろん食物繊維には他にも色々種類があります。

それに野菜には食物繊維だけでなく重要な『微量栄養素』が多種類含まれるので、フラクトオリゴ糖単体だけ摂っていれば安心というわけではありません。

多種類の野菜で様々な水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく摂取するのが基本です。

また野菜や果物に含まれるファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイドなど)は色素や香り、苦み、渋みなどの成分ですが、これらも重要な栄養素になります。

こうしたファイトケミカルは、強力な抗酸化作用やがん抑制作用、免疫力アップなど健康に欠かせない成分、『第7の栄養素』とも呼ばれています。

※ちなみに『第6の栄養素』と言われるのは食物繊維です。

有名なのはベリーに含まれるアントシアニンや、ココアに含まれるカカオポリフェノール、トマトに含まれるリコピン、緑茶や赤ワインに含まれるカテキンなどですね。

その種類は1万種以上とも言われ、まだまだ全貌は明らかになっていません。

だから野菜でも同じものばかり食べるより、色々な種類を組み合わせて食べたほうが効果的です。

ただし、不溶性植物繊維を多く含む野菜や根菜類は、酷い便秘の時に大量に摂ると、かえって悪化することがあるので要注意。

2.高タンパク・メガビタミン・低糖質

タンパク質・ビタミンC

ストレスによるけいれん性便秘の人も多いので、ストレスへの耐性を高めるためにもまずはタンパク質とビタミンCはしっかり摂る必要があります。

そもそも腸をはじめ内臓全般は主にタンパク質でできているので、タンパク質不足では胃腸が正常に機能しません

高タンパク食は便秘対策だけでなく、全ての体調維持の基本です。

ビタミンCも、野菜などから摂るのも大事ですが、食事だけでは十分量が摂れません

ビタミンCを一日1000㎎摂ろうとした場合(これも少ないですが)、1000㎎サプリなら1錠ですが、レモン約50個分も必要なので、とても足りるとは言えません。

またビタミンC自体に緩やかな緩下作用があるので、普段ビタミンCサプリを飲んでいる人はいつもより多めに、飲んでいない人は少量から試してみるのもおススメです。

ビタミンA

大腸の粘膜を正常に整えてくれるので、ビタミンAも必要です。

ただしサプリで摂る場合、プロテインなどでタンパク質を十分摂れていることが前提です。

ビタミンB1

筋肉が衰えていると大腸の蠕動も弱まってしまいます。

筋肉のためにはビタミンB1が有効ですが、単独摂取よりもB群をバランスよく取れるB50サプリなどが良いでしょう。

マグネシウム

マグネシウムには腸に水分を集めて、便を柔らかくしてくれる効果があります。

マグネシウムなどミネラルの多い硬水のミネラルウォーターが便秘に良いと言われるのもそのせいです。

便秘に効くだけではなく、マグネシウムは体内で300種類以上の酵素の働きに必要な補酵素の役割をしており、不足すると不整脈や動脈硬化、骨粗しょう症など様々な病気の原因となると言われています。

私はサプリを摂っていますが、豊富に含む海藻などから摂る他、ミネラル豊富な塩・『ぬちまーす』や『雪塩』などを日常的に使うのも良いでしょう。

ぬちま~す

雪塩

避けるべきもの

一方で、避けるべきものは精製糖質(砂糖や白米・小麦など)です。

やっぱり、便秘対策でも高タンパク・低糖質・メガビタミンは基本になるということです。

3.良質な脂質を摂る

脂質は細胞膜を構成したり、糖質よりも効率の良いエネルギー源になったりと、身体にとって絶対に必要な栄養素ですが、便が大腸から排出されるときの潤滑油としての役割も無視できません。

普通に食事と一緒に摂る以外にも、朝起き抜けにティースプーン1杯程度飲むのもおススメです。

腸の蠕動運動は朝食後が最も活発になりますが、起きてからすぐに水分と良質な油を摂ることでも蠕動運動を促してくれます。

私は朝食を取らずにMCTオイルを大さじ1杯程度、プロテインやフラクトオリゴ糖、ビタミンC粉末と一緒に飲んでいますが、たまに便秘が起こってもオイルを増量すればすぐに解消されます。

プロテインでタンパク質を、MCTオイルでエネルギー源を補給できるし、パンやお米など糖質過多な主食を摂らないので午前中の血糖も安定して快調です。

以前わたしは『リーンゲインズ』(16時間断食)をしていた時期があり、朝食は一切何も取らなかったのですが、多少なりともストレスと無理している感がありました。

今の方がはるかに午前中の体調が良いです。

また、いまだに『油は健康やダイエットの大敵!』と思っている人も多いですが、気にすべきは糖質の摂りすぎであって、脂質ではありません

もちろん『トランス脂肪酸』(マーガリンやショートニングなど)や酸化した油(揚げ物や古い油など)はNGですし、一般的な食物油に多い『オメガ6』も現代人は過剰摂取ぎみで炎症を起こしやすいので控えめにしたいもの。

せっかく摂るなら、次にあげるような良質な油がおすすめです。

MCTオイル・ココナッツオイル(ダイエットにもおススメ!)

高い抗菌・抗真菌効果のある『中鎖脂肪酸』を豊富に含みます。

一般的な食物油に多い『長鎖脂肪酸』よりも、速やかに消化吸収・エネルギーに使用されるので、体脂肪として蓄積されにくいのも魅力です。

私が使っているMCTオイルはこちら。

MCTオイル ココナッツ100%由来

コスパも良く、ココナッツオイルのみを原料とし化学的な工程なしで製造されているので、おすすめです。

えごま油・亜麻仁油

現代人が不足しがちな『オメガ3脂肪酸』が豊富。

オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸の1種で、様々な健康に良い効果があると言われています。

血中の中性脂肪を減らしたり、血管壁の脂肪が蓄積されるのを防ぎ血行を良くしたり、動脈硬化や不整脈を防止したり、認知機能の低下を予防したり

青魚に豊富に含まれますが、毎日取り入れるのはハードルが高いので、えごま油や亜麻仁油で気軽に摂るのがおススメです。

酸化しやすいので加熱せず、生の状態でサラダなどの料理にかけて食べています。

オリーブオイル

血糖値の上昇や悪玉コレステロール増加を抑える『オレイン酸』(オメガ9脂肪酸の一種)が70~80%と豊富で、長寿やダイエット効果で有名な『地中海食』でも欠かせないオイルです。

小腸で消化吸収されにくく、大腸の働きを活発化させる効果があります。

古くから便秘への効果を知られていて、オリーブオイルの産地・地中海のあたりでは昔から便秘対策にオリーブオイルを飲んでいたそう。

ファイトケミカルの1種・ポリフェノールやビタミンEといった抗酸化物質も含んでいるので、健康への効果も高いです。(ただし良質なものに限る)

オリーブオイルには製法の違いで『エクストラバージン』『ピュア』がありますが、健康への効果を期待するなら『エクストラバージンオリーブオイル』一択です。

オリーブの実を絞って抽出されたエクストラバージンオリーブオイルは、ポリフェノールなどの抗酸化物質を含んでいます。

一方搾油した後で精製したり混ぜ物をするなど人工的な処理が加えられたピュアオリーブオイルは、加工の段階で抗酸化物質など微量栄養素が失われてしまうので、せっかく健康のために摂るならエクストラバージンの方を選びたいです。

他にも身体に良い油は色々ありますが、入手しやすさという点で代表してこちらを上げました。

実際わが家にある油も、上に書いた種類のみです。

4.水をこまめに飲む

水分不足も便秘を悪化させる原因です。

便の約6割は水分ですが、水分摂取量が少ないと便の水分も減って固くなります。

1日1.5~2リットル程度の水を、こまめに飲む習慣をつけると良いですね。

ただ、利尿作用のあるカフェインを含む飲み物(コーヒー・紅茶・緑茶)などは飲んでも水分を排出てしまうので、ノーカウントで。

冷たい飲み物も体を冷やして腸の働きを衰えさせたり、代謝が落ちてしまうので、夏でも常温か白湯がおすすめです。

私も自宅では保温ポットに、職場ではサーモマグに、いつも白湯を入れて飲んでいます。

紅茶やコーヒーも好きですが、たまに外で飲む嗜好品扱いにしています。

また、糖質を大量に含む甘い飲みものには一切手を出しません。

5.軽い運動

運動で体を動かすことも、腸の活動を活発にするので大事です。

といっても激しい運動や本格的なトレーニングをする必要はなく、日常的によく歩いたり、階段を登ったり、身体を良く動かす程度でも十分予防効果があります。

逆に日常的に歩く距離が少なかったり、一日中座りっぱなしの仕事をしていたりすると、腸への刺激が少なく、腸の蠕動に必要な筋力も衰えてしまうので、デスクワークの人やあまり歩かない人も、適度に体を動かしたり軽いウォーキング、筋トレ(特に腹筋)をするのがおススメです。

6.生活のリズムを整える。

生活リズムの乱れは、自律神経の乱れにつながります。

特に睡眠を整えることは自律神経を正常にするためにも重要です。

自律神経と腸内環境は密接につながっているので、どちらかが崩れればもう一方にも支障が現れます。

どちらも体内リズムの狂いで影響が出るので、生活リズムはできるだけ一定に保ち、自律神経を狂わせるストレスもできるだけ減らしたいものです。

と言いつつも、夜更かし大好きな私には一番実践しきれていないことでもありますが…。

7.おまけ:今便秘でとにかく苦しいのを薬以外で何とかするには?

ここまで挙げたような食生活による腸内環境の改善や、生活習慣の改善は、長期的には必要だし取り組んだほうが良いものばかりですが、効果が出るまである程度の時間がかかるのは確かです。

では現在進行形で自分を苦しめている大量のフン詰まり状態を、長い目で気にせず放置して良いかというと、決してそうではありません。

詰まった便は早く出さないと何をやっても良くなりません

時には便秘薬に頼ることも正解でしょう。

けれど腸を刺激して排便させる便秘薬は常用すると癖になり、腸内環境も荒れ、効きにくくなるものも少なくありません。

当面の危機を乗り越えるために薬の力を使いつつも、上にあげたような方法で根本的に便秘になりにくい体質に変えていくのがベストだと思います。

とはいえ、やっぱり薬に頼りたくないという人もいるでしょう。

私が個人的に試して効果があったのは、上にも書きましたがMCTオイルです。

他のオイルよりも即効性がありました。

普段は糖質に変わるエネルギー源としてお腹を壊さない量を飲んでいますが、たまに便秘になった時は量を増やしています。

人によって適量は異なり、私は大さじ1杯とか毎朝平気で飲んでいますが、小さじ一杯程度でもてきめんに効いてトイレの住人になる人もいます。

出かける予定のない休日に試したり、少量から試すのが良いと思います。

まとめ

ここまで、便秘を改善するための方法をたくさんご紹介してきました。

一見多すぎるように思われるかもしれませんが、一度毎日の習慣に組み込んでしまえば、それほど意識もせずに続けられる習慣ばかりです。

これらの習慣の多くは便秘のためだけではなく、様々な不調への効果が期待でき体調維持に役立ちます。

私個人も便秘のためだけに取り入れているというより、他の不調を改善したり体調を良くするために始めたことが、結果として便秘に対しても効果があることが後から分かったケースが多いです。

高タンパク食・低糖質食+プロテインやメガビタミンも、うつや慢性的な体調不良を改善するために始めた習慣ですし、フラクトオリゴ糖花粉症の改善のために始めたものです。

不調や病気はそれぞれバラバラに捉えがちですが、身体は全てつながっていて、どこかで不具合があると思わぬ別の場所でも不調が出ることは珍しくありません。

特に栄養を吸収する腸の健康状態は、全身の健康に影響を与えます。

健康な腸であれば体に必要な栄養をしっかり吸収して要らないもの・有害なものは体外に排出してくれますし、不健康な腸であれば有害な物質が発生し、それらを体外に排出できずに吸収してしまうことで血液を介して体中に害をもたらします。

便秘になると肌荒れになりやすいので憂うつですが、それは体の中も荒れているというサインです。

肌荒れ対策のスキンケアに走るよりも、大切なことが見えてくると思います。

それではまた。