こんにちは。
今回は、人知れず悩んでいる女性が多い、『便秘』の話です。
便秘の原因や症状、肌荒れとのつながり、便秘を改善する方法など前後編に分けてお話していきます。
便秘は特に女性に多い悩みですね。
便秘が続くと肌荒れや吹き出物、ニキビなど肌トラブルも起きやすくなり、女性の美容にとっても大敵です。
私も年季の入った頑固な便秘持ちでした。(推定30年弱)
いつから便秘になったのかは覚えていないですが、すくなくとも小学生高学年の頃には便秘で悩んでいた記憶があります。
今では食品やサプリで腸内環境を改善しつつ、たまに便秘が復活したときは薬に頼らずMCTオイルなどに頼ったりと、だいぶ快調になりましたが、以前は酷い時には1週間以上お通じがほとんどない、なんてことも。
長期間便秘が続くと、お腹が張って苦しいだけでなく、体中に不調が現れてきます。
私が特に悩んでいたのは肌荒れや吹き出物、口臭など、女子にとっては大ダメージな症状。
更に酷くなると、胃もたれしているかのように食欲がなくなったり、イライラするようになったり、身体がだるくなったりと、悪いことずくめ。
便秘ってそれほど全身の健康にも悪影響があるんです。
どういった状態を便秘と呼ぶの?便秘には種類があるの?
では具体的にはどういった状態を『便秘』と呼ぶのでしょうか?
一般的には『2~3日排便がない状態』と言われています。
でもそれは絶対ではなく、例えば2~3日おきであっても毎回スッキリ排便できていれば便秘ではなく、反対に毎日排便していてもスッキリしなく出し切れていない感じがしたり、お腹が張った状態が治らなかったりするなら便秘と言われます。
自分もよくありましたが、毎日ウサギのフンみたいなコロコロ便が少量出たとしても、とてもスッキリ感は得られないのでそれは便秘と言えるでしょう。
便秘の種類
便秘と一口に言っても、色々な種類があります。
1.弛緩性便秘
大腸の蠕動運動が弱まり、腸管がゆるんでしまうことで起きます。
便は押し出してくれる蠕動運動が起こらないと出られないので、そのまま大腸内に溜まるうちに水分が抜けて、どんどん固く出にくくなります。
2.けいれん性便秘
ストレス過多な人に多い便秘です。
副交感神経がストレスなどで興奮した状態が続くと、腸管も緊張して便が移動しにくくなってしまいます。
その結果コロコロした固い便に。
(いわゆるウサギのフン状態)
過敏性腸症候群も原因になると言われています。
3.直腸性便秘
仕事で忙しかったり、朝余裕がなかったりと、排便を我慢しがちな人に多い便秘です。
排便のサインに応えられないことが多いと、便が直腸に届いても便意が起こらず、そのまま停滞するようになってしまいます。
他にも、大腸がんなどの病気や手術による癒着が原因となることも。
便秘の原因
便秘になる原因は人によってさまざまです。
- 腸内環境の悪化(偏った食生活による栄養状態の悪化)
- 自律神経の乱れ(ストレス・不規則な生活習慣)
- 運動不足・筋力の低下
- 抗生物質の投与
- 水分摂取の不足
- 内服薬の副作用
- 消化器官系の病気
などなど。
色々ありますが、ここで特に挙げたいのが腸内環境の悪化です。
それは腸内環境の良し悪しは、腸内細菌のバランスや量による影響が大きいから。
健康な大腸内には、たくさんの腸内細菌が生息しています。
その種類は100種類以上もあり、全て合わせると100兆個以上とも言われていて、人間の細胞の数(約37兆個)よりもはるかに多いです。
私たちは想像を絶するほど大量の腸内細菌達と共存しているというわけですね。
腸内細菌は大きく3つに分けると善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり、健康な大腸は善玉菌が優勢となっています。
便のうち6割を占める水分の他、食べ物の残りかすは約5%程度で、残りは腸内細菌が約10~15%、役目を終えて腸壁から剥がれ落ちた死んだ細胞が約10~15%という割合です。
善玉菌のエサは食物繊維なので、野菜不足な偏った食生活をすれば減ってしまい、結果的に便のかさも減ってしまいます。
またタンパク質不足だと、主にタンパク質でできている胃腸そのものの働きが衰えるので、腸内環境が悪化することに。
便秘が引き起こす不調
便秘によって起こる体中の不調も、人によってさまざまです。
- 肌荒れ・吹き出物
- 腹痛・食欲の低下・吐き気
- 疲労感・倦怠感
- 切れ痔
- イライラ・抑うつ・不眠
- 頭痛・肩こり
- 太りやすくなる・生活習慣病になりやすくなる
- 免疫力の低下
などなど。
便秘の方はどれかしら当てはまることが多いのではないでしょうか?
私も酷い時はほとんど全ての症状を経験しました。
便秘になると、なぜ体中に不調が起きるのか?
便秘になると、単にお腹が苦しい、お腹が張る、切れ痔になる、といった大腸に直接かかわる不調だけでなく、体中に様々な不調が起こりやすくなるのは何故でしょう?
腐敗した便がもとで生まれた有害な物質のせい
便秘になると大腸にたまった便が腐敗し、悪玉菌が増えてアンモニアやアミン、硫化水素、フェノール類などの身体に有害な物質を発生させます。
また、大腸で発生した有害物質だけでなく、人の体に入った有害物質の6~8割ほどは本来、便から排出されるのですが、便秘になるとこうした有害物質も、排出できなくなるので更に腸内環境を悪化させてしまうのです。
そうなると、おならが増えたり臭くなったり、ガスが溜まってお腹が張ったり、といった分かりやすい症状だけでなく、体中で様々な症状を引き起こす原因となります。
腸内環境の悪化が元で起こる症状に『リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)』がありますが、腸粘膜に穴が開いて、腸内にある消化しきれていない食べ物や、有害な物質が血管に漏れ出てしまう症状を言います。
リーキーガットになると、本来はきちんと消化・分解された身体に必要な栄養素や水分だけを吸収してくれる腸管が、未消化の食べ物(アレルギーの元になる)や、細菌やカビ・有害物質まで吸収してしまい、それらが容易に血中に漏れ出てしまうようになります。
便秘によって様々な不調が起きるのは、こうした有害な物質が腸から吸収されて、血液と一緒に体中に運ばれて悪さ(炎症を起こす)をするからです。
これが脳であれば、イライラやうつ状態を引き起こすし、肌であれば肌荒れを起こす、といった具合に。
善玉の酪酸菌が減ることで、体内の炎症を抑えきれなくなるせい
便秘で腸内環境が荒れると悪玉菌が増える一方で善玉菌、特に『酪酸菌』が減り、その結果酪酸菌が生み出してくれる体内の炎症を抑える『酪酸』も減ってしまいます。
その結果、腸内で発生した有害な物質のせいで体内のあちこちで『炎症』が起こり、様々な不調をもたらすのを抑える力が弱まってしまうのです。
有害な物質の発生に、抗炎症成分も不足しているというダブルコンボ。
逆に腸内環境が良くなって、善玉菌の『酪酸菌』が増えて『酪酸』がたくさんできると体内の炎症も抑えられるので、肌荒れやメンタル不調、更には花粉症といったアレルギー症状が軽減することも。
それだけ腸内環境は全身の健康と深いつながりがあるのですね。
よく『便秘は万病のもと』と言われるのも納得できます。
この酪酸菌の抗炎症効果については、こちらの本に詳しく書かれています。
『東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』小柳津広志(著)
…ただこの本の主張はちょっと偏りがあるというか、腸内環境愛がものすごい一方、他の療法、特に分子栄養学やオーソモレキュラーをディスりまくっているので個人的には内容全てに賛同することはできませんが、腸内環境・腸内細菌についてはかなり勉強になります。
これ1冊読んだだけで、もう栄養の知識はこれで十分と満足するのは止めた方がよいと思いますが、花粉症などに悩んでいる人には助けになる可能性が高いです。
便秘になると肌荒れする理由
便秘で肌荒れする理由も上に書いた通り、腸内で腐敗した便が悪玉菌を増やし、悪玉菌が作り出す有害な物質が血液にのって肌に刺激を起こすからです。
血液に混じった有害物質は大半は尿と一緒に排出されるのですが、一部は汗や皮脂と一緒に皮膚から排出されます。
肌の細胞は代謝によって日々作り替えられていて、この代謝を『ターンオーバー』と呼びますが、汗や皮脂に混じった有害物質はターンオーバーを乱して肌を荒らしてしまうのです。
皮膚の細胞は生まれてから最後皮膚の表面の角質細胞となって、やがて垢として剥がれ落ちるまで一定期間のサイクルがありますが、有害物質があると早く排出しようとして、そのサイクルが乱れてしまいます。
また、便秘になると自律神経も乱れていることが多いので、更にターンオーバーにダメージを与えるというダブルパンチに。
そうなると健康な肌細胞が生まれなくなり、肌荒れや吹き出物などが出やすくなるので、便秘は肌トラブルの原因になるということです。
まとめ
便秘の原因や症状、肌荒れや様々な不調を起こす理由についてまとめてみましたが、 腸内環境が全身の健康と密接にかかわっている理由がうまく伝わったら嬉しいです。
もちろん、肝心の便秘改善の方法も色々ご紹介していきます。
後編では、実際に便秘を改善するための方法について書いていきますので、ぜひ続けてご覧になってください。
それでは次の記事で。