こんにちは、最近糖質制限を勉強&実践しはじめたみりりっこです。
色んな本や情報を調べてると、人によって正しいと主張していることが違うのは当たり前で、真逆の主張が存在してたりも普通にあります。
となると、その主張のよりどころとなる根拠がどこにあるのかが大事ですね。
糖質制限を中心に色々本を読んだりしてるうちに浮かび上がってきたのは、「そもそも、人類はどんなものを食べるのに適してるの?」ていう疑問。
良く聞くのが「日本人には昔から食べてきたお米、和食が一番体に合っている。」
とか。
ただその「昔から」っていうのが曲者で、どのくらい昔なのよ?っていうのがあいまいだったりします。
少なくとも「日本のお米」に関しては紀元前10世紀ころ弥生時代に稲作が始まってからなので、人類が誕生して700万年の歴史と比べてしまうと、ほんの最近に過ぎないとも言えます。
稲作が始まってからも、お米は贅沢品でそう多くの庶民が豊富に食べられるものではなかったし。
庶民がお米を普通に食べられるようになったのは、江戸時代になって米の流通が増えてからだし、その当時でさえ日本人の大半を占める農民はお米を十分に食べられる状況じゃなかったし。
だから昔から食べてきたものが正しいとは言っても、その「昔」というのはそれほど昔でなかったりします。
「昔から食べている」から人間に合っていると言っても良いものか、ちょっと考えてしまいますね。
人類は誕生してからほとんどの時代を狩猟採集民として世代を重ねてきたので、今のように大勢の人間が糖質を豊富に食べられるような状態はほとんどなかったはずです。
狩猟採集民の食生活は環境にもよって変わりますが、狩猟で得た動物や魚介類、昆虫に、野生の木の実や植物の根がメインで、栄養バランスは脂質やたんぱく質がメインで糖質はわずかだったと言われています。
現在とは糖質と脂質の割合がほぼ逆転しているような感じです。
確かに動物性の食糧やナッツのような木の実は脂肪分が豊富ですしね。
実際に人類の消化管は肉食動物に類似していて、ゴリラのような草食の霊長類とは違うので、本来は肉食か肉食+雑食だったとされています。
初期の人類にとっての糖質源は、植物の根や葉、木の実、イネ科の植物の実などでしたが、含まれる糖質の量はわずかなものでした。
麦や稲のように糖質が豊富に含まれる植物は人間が品種改良することで生まれたものなので、狩猟採集時代にはなかったのです。
少なくとも今のような高度に精製された穀物や砂糖は存在しなかったので、糖質を含む食べ物も食物繊維が豊富で血糖値が急上昇するような食べ物はめったに手に入らないものでした。
穀物の栽培が始まったのは諸説ありますが1万2000年前頃と言われています。
エジプトやメソポタミアで小麦の栽培が始まると、瞬く間に世界中にひろまり、同時に人口増加が始まりました。
小麦栽培のノウハウは他の穀物にも広がり、やがて大陸から日本にも稲作が伝わり、お米が作られるようになりました。
ちなみに砂糖が一般的に食べられるようになるのはもっと後で、17世紀にサトウキビの大規模栽培が始まるまではほとんどの人間にとって砂糖は無縁の存在でした。
穀物が食糧の安定供給をもたらしてくれたおかげで、人口が増え文明も発展しましたが、脂質やたんぱく質が豊富だった狩猟採集時代よりも、糖質に偏ることで栄養状態は悪くなっていきました。
しかも農耕のために、ほとんどの人間が長時間の重労働をせざるを得なくなりました。
産業革命後、更に精製度の高い穀物や砂糖を多くの人が食べるようになり、現代は肥満や糖尿病など糖質過多から様々な健康上の問題を抱えています。
現在も狩猟採集民として暮らしている人々は、都会で暮らしている人に比べると健康状態が良く、引き締まった理想的な体型をしていますが、文明が入り込んで欧米型の食生活を始めると一気に生活習慣病や肥満が広まるそうです。
穀物がなければ今の文明の発展はありえなかったけれど、それと引き換えに様々な疾患を抱えることになったことを考えると複雑な気分ではあります。
今の生活を知っている上で、文明が未開の時代に生まれ直したいかと言ったら、正直答えはNOだし。
狩猟採取時代は栄養バランスが良かったとはいっても、それは気候が良くて食物が順調に摂れている時期に限った話で、医療もないし氷期などで度々絶滅しかけてることを考えれば、過酷さが想像できて全力で遠慮したいです。
それに食べ過ぎで太ったり、何を食べるかで悩んだりできること自体が、長い歴史のほとんどで飢えと闘ってきた人類にとっては、かなり贅沢なことでもありますね。
自由に好きなものを選んで食べられることに感謝しつつ楽しみつつ、本当に体が必要なものを適量食べるようにしていきたいです。
それではまた。